2024年ある生徒の国公立大学合格報告
高3の生徒が第一志望の沖縄県立芸術大学美術工芸学部に合格してくれました。
彼女は高3の10月半ばに入塾した際、共通テスト模試の結果が英語リーディング27/100、リスニング50/100、現社52/100、国語97/200ほどのスタートです。共通テストまで3ヶ月というところで状況的にはかなり窮地にいました。共通テストは3教科しか使いませんが、模試の成績は芳しくなく、今までの勉強の積み重ねもありません。しかも実技試験に大きく不安を抱えている。
初めて彼女と面談した際の彼女の印象は、「不安」の一言でした。そして志望校を聞いた時も正直かなり厳しい印象がありました。入試まで時間が限られる中で戦う武器があまりに少なすぎる。さらに美術工芸学部の志望学科の定員は5名以下。現実は厳しい。
しかし彼女には唯一の武器がありました。
それは根性です。
学力的に厳しい現実がある。2次試験の実技対策にも難儀している。彼女はそうした現状を正面から受け止め、時間がない中で基礎からきちんと行いました。英単語。全然覚えられないと嘆きながらも何度忘れても繰り返し繰り返し暗記しました。そして過去問。英語だけでなく、国語、現社も共通テストの過去問は10年分ほどを何度も何度も解き直しました。いくら過去問演習しても英語のリーディングが20点代、国語も何度も100点を下回る。古文が0点の時もあった。
それでも彼女は諦めなかった。
一緒に英文の構造を確認し、訳を一文ずつ確認する。国語は10年分を2回以上行い、河合の予想問題集も行った。実技試験まで手が回らずとにかく共通テストをなんとかしようと日々自分を励まして打ち込んだ。共通テストの前日は過去問演習を繰り返し行った。まだ満足いく点数は取れない。手応えもない。ストレスで体調は悪く、薬を飲んで自分を落ち着かせる。
共通テスト当日。彼女は過去最高点を出す。
結果は、英語リーディング59/100、リスニング61/100、現社59/100、国語149/200。河合塾リサーチで余裕のA判定。
運を手繰り寄せたとしか思えない。
そこからの彼女は雰囲気が一気に変わった。実技試験に向けて戦う目に変わった。この彼女なら実技もなんとかする予感があった。そして国公立2次試験終了後、上々の出来との報告。
最終的に彼女は5名以下の定員のところに見事に合格しました。
私が特別な指導を行ったのではなく、間違いなく彼女の執念が運を引き寄せたとのだと思います。私はこの数ヶ月で彼女の姿を通して、人が大きく変化する様を見ました。こうした経験を経た方はこの先苦難があっても、ご自身の思いで仲間を味方にし、運を手繰り寄せる力を再現できるのではないかと思います。
彼女が大学でも活躍してくれることを確信しています。